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    <title>花粉症、アトピー、ぜんそくの治す方法</title>
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    <updated>2011-11-28T10:45:37Z</updated>
    <subtitle>かゆい、鼻水が出る、息苦しい。アレルギー症状とは、ひたすら迷惑なものだ。</subtitle>
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    <title>アレルギーはお母さんからの遺伝？</title>
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    <published>2012-01-21T10:40:20Z</published>
    <updated>2011-11-28T10:45:37Z</updated>

    <summary>ぜんそくでもアトピーでも、アレルギー発症率は明らかに男児のほうが高いのである。男児の発症率は女児の一．五倍から二倍なのだ。</summary>
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        <category term="アレルギー診断" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	「アレルギーの本を読んでいたら、アトピーの遺伝は母親からだと書いてあったんですが、ほんとうですか」</p>
<p>
	アレルギーの子どものお母さんから、こんな質問を受けたことがある。</p>
<p>
	ある免疫学の大家の著書に「アトピー素因の遺伝は母親経由」とあるのを読んだ覚えはあったが、ぼく白身は母親の遺伝が強いという印象はもっていなかった。気になったので、手元にあった二ヵ月間のカルテを見直してみることにした。</p>
<p>
	そこには一三三名のアトピーの子どもの家族歴データがあった。まず、「両親にぜんそくかアトピーがありますか」という質問。アレルギーの病気の中でアレルギー体質が最も子どもに反映すると言われているのはぜんそくとアトピー性皮膚炎なのである。この質問では、お父さんもお母さんも差はほとんどなかった。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	次に、花粉症などのアレルギー性鼻炎やじんましんにまで範囲を広げると、さすがに花粉症の頻度は高いから、両親どちらにもアレルギーがないのはわずかに１７パーセントにすぎず、アレルギーはやはり遺伝性の高い病気であることがわかった。しかし、「遺伝は父か母か」という点については問題になるほどの差はない。</p>
<p>
	さて、これをどう解釈したらいいのか？　ひとつ頭に入れておくべきことは、この種の調査には「バイアス」がかかるということである。</p>
<p>
	初診のときに診察室に現れるのはたいてい母親である。「小さいころにぜんそくやアトピーがありましたか？」と質問したときに、父親についてはどうしても情報が曖昧になる。</p>
<p>
	「たぶん、ないと思います。聞いていませんから」といった答えが返ってくることが多い。</p>
<p>
	ところが、父方の祖母がいっしょに来ていると、「そういえば、息子は幼稚園のころまでゼイゼイして、ぜんそくって言われたことがありました」ということもある。しかし、この事実を父親自身も覚えていないことも多い。</p>
<p>
	つまり、母親のほうが自分のことをよく覚えているから、アレルギーは母親の影響が強い、という統計結果が出だのかもしれない。</p>
<p>
	ぼくはじつは、もうひとつ別の事実に気がついていた。</p>
<p>
	ぜんそくでもアトピーでも、アレルギー発症率は明らかに男児のほうが高いのである。男児の発症率は女児の一．五倍から二倍なのだ。</p>
<p>
	ということは、父親にアレルギーがある割合は、母親の一．五倍以上あっても不思議ではない。しかし実際はあまり差がないということは、母親は発症率が高いことになる。それなら、やっぱりお母さんの遺伝のほうが強いということ？</p>
<p>
	考えているうちに、どうでもよくなってきた。いずれにせよ、統計なんて信用がおけない。　お母さん方の話を聞いていると、どうやら、子どもがアトピーとわかった場合、「うちの家系にぜんそくはないわよ」「アトピーだなんて、だれの遺伝かしら」などと、お嫁さんが厭味を言われることがあるらしい。</p>
<p>
	しかし、たいした根拠もないことでお母さんを責めるのはやめるべきだ。何度も言うようだが、日本人の半分はアレルギー遺伝子をもっている。両親のどちらの遺伝かなんて、何の意味もない。自分のあずかり知らぬところで、「マイナスの遺伝子」を背負っていると名指しされる子どもは、なおさらかわいそうである。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
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    <title>ステロイドは「緊急避難」の薬</title>
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    <published>2011-12-27T11:05:33Z</published>
    <updated>2011-11-28T11:21:51Z</updated>

    <summary>ステロイドはアトピー性皮膚炎を根本的に治す薬ではない。ステロイドは炎症を抑える作用がある。アトピーの湿疹が赤くなったりブツブツに盛り上がっているのは、皮膚の細胞の中から炎症を起こす物質（ヒスタミンなど）がしみ出ているからなので、ステロイドを塗るとスッと赤みがひく。</summary>
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        <name>air</name>
        
    </author>
    
        <category term="良い治療の悪い治療" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	ところで、美肌水を考案した前述の開業医は、アトピーの湿疹がジクジクしているときは、まずステロイド軟膏を最初の日だけ二回塗り、皮膚の状態をよくしてから美肌水を塗るように指導している。まず、炎症やかゆみを治し、きれいな状態を保つために美肌水を塗るということなのだ。これはオーソドックスで理にかなった治療である。</p>
<p>
	逆に言うと、ステロイドを塗らずに化粧水だけで治そうとするのは無謀ですよ、と彼は言っていることになる。</p>
<p>
	当たり前のことだが、ステロイドはアトピー性皮膚炎を根本的に治す薬ではない。ステロイドは炎症を抑える作用がある。アトピーの湿疹が赤くなったりブツブツに盛り上がっているのは、皮膚の細胞の中から炎症を起こす物質（ヒスタミンなど）がしみ出ているからなので、ステロイドを塗るとスッと赤みがひく。</p>
<p>
	皮膚というのは、奥のほうから新しい細胞が次々に出てきて表面の細胞を押し上げ、古くなった細胞ははがれ落ちるしくみになっている。だから、ステロイドを塗って、あとはそのままそっとしておけば、きれいな皮膚に生まれ変わるわけである。すり傷がカサブタになって、一週間で治るのと同じことだ。つまりステロイドを使う目的は、炎症による悪影響を取り除いて、皮膚を回復プロセスにのせることなのだ。「湿疹がある弱い皮膚&rarr;マイルドな治療&rarr;皮膚のバリアが回復しない&rarr;ちょっとした刺激で悪化」と、だらだらと悪い状態が続きがちなアトピーの悪循環を、バッサリ断ち切る「緊急避難」の薬なのである。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	だから、ぼくの場合は強いステロイド剤を体に塗るのはせいぜい一～二週間。顔には強いステロイド剤は使わないようにしている。こうしていったん健康な皮膚に戻してしまえば、少しくらいの刺激ははね返す。</p>
<p>
	そういえば、花粉症でも顔や首がかゆくなるという話を最近よく聞くようになった。花粉がつくと、アトピー性皮膚炎のような湿疹を起こすのだ。この場合も、皮膚にひっかき傷があると花粉がくっついたときアレルギー反応を起こしやすくなると考えたほうがよい。</p>
<p>
	しかし幸いなことに、花粉は水溶性である。花粉がついたら、すぐに洗い流せば、症状をコントロールできる。</p>
<p>
	また、「化粧はしないほうがよいの？」という質問を花粉症の女性から受けることかあるが、お化粧はファンデーションで一枚の被膜をつくるわけだから、悪いことではない。素肌が見えないということは、マスクのように一枚の薄布をかぷせたのと同じ。つまり、皮膚のバリアだ。すると、花粉が顔についても素肌に直接くっつかないので、かゆくなりにくいと思う。</p>
<p>
	ただし、目の中にお化粧はできないから目に花粉が入ることは避けられない。だから目はかゆくなる。</p>
<p>
	さて、目がかゆくなったとき人はどうするか？　ゴシゴシゴシと目をこする。そうすると、化粧品や目のまわりについた花粉も目の中にこすり込むことになり、ますますかゆくなる。こすりすぎて角膜に小さな揚ができ、そこに化粧品が入り込むと炎症を起こすこともある。</p>
<p>
	皮膚の場合も同様だ。ひっかきすぎてできた小さな傷に化粧品が入ると、接触性皮膚炎（かぶれて炎症を起こす）になることもある。消毒用のアルコールで肌をふいてみて、ピリピリとしみるようだったら、化粧品よりもかぶれにくいワセリンを使ったほうがいい。</p>
<p>
	要するに、皮膚に細かい傷があったり、湿疹がジクジクして化膿している状態でなければ、アレルギーの人が低刺激性の化粧品で肌をカバーするのは悪くない。ただし、「ひっかかないで」というのが条件である。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
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    <title>「美肌水」がアトピーに効果がある理由</title>
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    <published>2011-12-24T10:45:53Z</published>
    <updated>2011-11-28T10:58:15Z</updated>

    <summary>美肌水が「効いた、効いた」と評判になったのは、もともと、アトピーはそれぐらい治りやすい病気だし、症状の軽い人が多いという証拠でもある。</summary>
    <author>
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        <category term="良い治療の悪い治療" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	一時期、健康雑誌などで大ブレイクした「美肌水」は、じつに医者の首を締めるものだと思う。実際、あれでほんとうにアトピーがよくなるらしいのである。</p>
<p>
	ぼくがこの民間療法を知ったのは、一昨年の春のことだ。遠くへ引っ越してからもぼくのところへ通ってきている三歳と五歳の男の子のお母さんが、「美肌水を塗ってみたら、よくなりました」と教えてくれた。</p>
<p>
	この兄弟は、ステロイドを使って症状をコントロールしていた患者さんである。</p>
<p>
	「へえ、どこで知ったの？」</p>
<p>
	インターネットだそうである。</p>
<p>
	さっそく、調べてみた。「美肌水」は今井龍弥さんという名古屋の開業医が提唱したもので、尿素とグリセリンと水道水とを混ぜてつくる自家製の化粧水のこと。ぽくは最初、「また、タチの悪い新手のアトピービジネスが出たか」と思ったのだが、よく聞いてみるとそうでもなさそうだ。アトピービジネスとは、民間療法に名を借りてアトピー性皮膚炎患者をターゲットに商岫などを収売し、法列の利益を得ようとＩるものをいう。だが、この「ｉ肌水」ではだれも大儲けをしてはいないのだ。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	なにしろ、つくり方は雑誌やインターネットで公開されているし、患者さんは自分で化粧水をつくるのだから安上がりだ。アトピービジネスにありがちな「入会金」や「カウンセリング料」などもいっさいなし。材料の尿素は園芸店などで売っている肥料用を使うので安い。大学生の姪に店を回って調べてもらったところ、尿素は８００グラム３００円、グリセリンは植物から精製したものが１００ミリリットルで３９８円。何十倍にも薄めて使うので、少しずつつくって冷蔵庫に保管しておけば、ジャブジャブ使っても三年くらいはもつらしい。</p>
<p>
	「これはいいんじやないの？」とぼくは思った。</p>
<p>
	この美肌水、尿素を使うというのは別に目新しいことではない。尿素軟膏はアトピー性皮膚炎の治療に昔から使われていて、角質をやわらかくしたり、しっとりさせる作用がある。ぼくも、アトピーの炎症が長く続いてガサガサして角質が厚くなった部分に、尿素軟膏とワセリンを混ぜて塗るように指示することがある。美肌水はこれと同じ発想である。尿素は傷があるとらよっとしみるが、なにしろおしっこの成分だ。とくに副作用はない。</p>
<p>
	グリセリンは炭素と水素と酸素の化合物で、ワセリンと同様に単純な構造式の化学物質で、脳浮腫のときなど点滴に入れるくらいだから、人体に害はない。浣腸薬のほか、キャンディやガムの柔軟剤としても使われる。グリセリンはいろんな物質をしっとりさせたり、やわらかくする性質があるのだ。</p>
<p>
	だから、アトピーのカサカサした皮膚に塗るとしっとりするのは当然だろう。しっとりした皮膚は角質層が整って、うるおいの膜が外部からの刺激を防ぐから、いろんな刺激に対して強くなるし、小さな傷もないからアレルゲンも侵入しにくくなる。</p>
<p>
	しかも手作りの美肌水には、肌への刺激となってトラブルを起こす可能性のあるパラペンなどの防腐剤も入ってない。これもメリットのひとつである。</p>
<p>
	もちろん、アトピーの原因は人それぞれで、いろんな悪化要因がある。ある人は汗がダメだし、ある人は細菌感染を起こしやすく、ある人はホコリをかぶるとダメだ、というように。しかし、何であれ「外から皮膚にくっつくもの」が原因のアトピーで、さほど重症でないものは、美肌水を塗って保湿し、皮膚の防御力を補うだけでコントロールできる。そして、そういう軽症の人は、アトピー患者全体のおよそ九割である。</p>
<p>
	逆に言うと、美肌水が「効いた、効いた」と評判になったのは、もともと、アトピーはそれぐらい治りやすい病気だし、症状の軽い人が多いという証拠でもある。</p>
<p>
	ただし、「皮膚にくっつく異物を排除する」「皮膚の防御機能を補強する」という意味では、美肌水よりも、ワセリンのほうが一枚上である。皮膚にひっかき傷や炎症によるガサガサや赤みがあるうちは、ワセリンで保護しておくほうが安心だろう。<span style="display: none">&nbsp;<span style="display: none">&nbsp;</span></span></p>
]]>
    </content>
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    <title>日本人の半分はアレルギー体質</title>
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    <published>2011-12-19T09:51:29Z</published>
    <updated>2011-11-28T10:37:21Z</updated>

    <summary>日本人の半分以上がアレルギー体質とすると、いつ発症してもおかしくない予備軍はまだ、けっこう残っているかもしれないのだ。</summary>
    <author>
        <name>air</name>
        
    </author>
    
        <category term="アレルギー診断" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	アレルギーという言葉の語源には、「変な」という意味もある。では、アレルギーはごく限られた体質の人に起こる特殊な反応なのだろうか？　ぼくはそう思っていない。アレルギーはわりあい誰にでも起こりうる、ごく普通の現象だ。</p>
<p>
	ましてや、アレルギーの子どもを連れて診察に訪れた両親がそろって「私にはアレルギーはありません」「いやいや、絶対ないはずです」などと強く主張すると、猪疑心がムラムラと湧き起こってくる。で、どうするかというと、「そうそう、たしかに症状はないんでしょうけどね」</p>
<p>
	などと言いなが、すばやくスギ、ねこ、ダユ等のアレルギーの有無を検査してしまうのである。腕をとり、ダニのエキスを一滴落として、そこを針でスッと軽く押さえるだけの簡単で、安全な検査である。もちろん、これは診療行為ではない。サービスである。症状もないのに保険診療で検査というわけにはいかない。</p>
<p>
	結果は一五分ほどで出る。アレルギーがあれば赤くはれてきて、かゆくなる。すると、たいてい両親のどちらかにダユアレルギーの反応が出る。</p>
<p>
	「お父さん、ダニアレルギーがありますよ」</p>
<p>
	と告げると、「自覚症状はないのに&hellip;&hellip;」と驚かれることが多い。そこでぼくはさりげなく言うのだ。</p>
<p>
	「あったんだよねえ」検査でアレルギー反応が出るということは、ダユとか花粉とか、とにかく異種（自分以外）のたんぱくに対するｌｇＥ抗体が、体内でつくられているということを意味する。</p>
<p>
	このＩｇＥ抗体をつくりやすい体質、つまりアレルギー体質は遺伝するとされる。だから、似たような環境で暮らしていても、ぜんそくになる人もいるし、何も異常のない人もいる。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	では、このアレルギー体質は特殊なものなのか？　ちょっと次のデータを見てほしい。　以前、一歳半健診と三歳健診の受診予定者にアンケートを送って、アレルギーの家族歴を調べたことがある。両親やきょうだいにアレルギー疾患（気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、じんましん）にかかったことがある人がいるのは、なんと、全体の六割以上にもなった。</p>
<p>
	これには驚いた。アレルギーの子の親がアレルギー体質なのは当たり前。でも、この数字はアレルギー病のない子どもも含めた調査の結果なのだ。これは何を意味しているかというと、なんと、「日本人の半分はアレルギー体質かもしれない」ということだ。</p>
<p>
	つまり、日本人の二人に一人はＩｇＥ抗体保有者か、もしくはＤＮＡのどこかにＩｇＥをつくりやすい遺伝子がある、もしくはＩｇＥがつくられるのを抑制する遺伝子が欠けているということである。</p>
<p>
	アレルギーが増えた原因は環境問題だとか、食品添加物が悪いとか、寄生虫が減ったからだとか、さまざまな情報が流されているが、　「アレルギーはもともと日本人にとって、とても身近な病気だったのだ」とぽくは思っている。</p>
<p>
	では、どうして最近になってアレルギーが急に増えたのか？　生活様式や環境の変化によって、隠れていたアレルギーの遺伝子が表面に出てきたのである。花粉症患者は「急に増えた」のではなく、大量のスギ花粉によって日本人の中に眠っていたアレルギー体質が「洗い出された」だけなのだ。</p>
<p>
	ぽくが花粉症を発症した一五歳の当時は「花粉症？　アレルギー？　なにそれ」という世の中だったから、マスクをかけて電車に乗ったりするとかぜをうつされてはたまらないと、周囲の人は顔をそむけたものだ。</p>
<p>
	でも、今は「マスク＝花粉症」がむしろ常識。現在、花粉症の患者数は日本の全人口の二〇パーセント近くにも達している。なおかつ、日本スギは日本特有の植物だから、花粉症は日本における世界最大級のアレルギー性風土病なのだ。</p>
<p>
	「アレルギーの人って、いるよね。でも、私には関係ないなあ。花粉症だのぜんそくだの、全然身に覚えがないし」</p>
<p>
	などと思っている人があなたのまわりにも一人や二人はいるだろう。でも、油断は禁物。日本人の半分以上がアレルギー体質とすると、いつ発症してもおかしくない予備軍はまだ、けっこう残っているかもしれないのだ。</p>
<p>
	花粉症、それは「明日は（来年は）わが身」の病気である。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
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    <title>アレルギー検査の数値より「生活の知識」</title>
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    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.17</id>

    <published>2011-12-17T08:56:19Z</published>
    <updated>2011-11-28T09:05:53Z</updated>

    <summary>アトピーの三人食物アレルゲンは「卵、牛乳、大豆」とされていて、みそやしょうゆは除去するのが当然だった。</summary>
    <author>
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    </author>
    
        <category term="アレルギー診断" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	じつをいうと研修医になりたてのころ、ぼくがいちばん悩んだのが大豆の問題だった。当時、アトピーの三人食物アレルゲンは「卵、牛乳、大豆」とされていて、みそやしょうゆは除去するのが当然だった。でも、ぽくは血液検査で大豆の特異ＩｇＥが出ている子で、実際にみそやしょうゆを食べたからといって症状が悪化する例をひとつも見たことがなかった。</p>
<p>
	「なのに、どうして大豆アレルギーの子はみんな、みそやしょうゆを除去してるのだろう？」　と、疑問に思っていた。</p>
<p>
	アレルギーはその食品全体に対して起こるのではなく、ある食べ物に含まれる「特定のたんぱく」に対して起こる現象である。みそやしょうゆは蒸した大豆を発酵させたものだ。豆腐は大豆をすりつぶして加熱し、にがりで固めたもの。納豆は加熱したうえで、さらに発酵させている。ひょっとしてアレルゲンとなるたんぱくは残っていないんじやないのか？</p>
<p>
	ぼくは悩んだ末、「検査で大豆アレルギーが出ていても、症状が出なければみそやしょうゆは食べていいですよ」と指導することにした。以来、現在にいたるまで、それでトラブルが起きたことは一度もない。</p>
<p>
	検査上で大豆アレルギーがあっても、みそやしょうゆ、豆腐、納豆は食べられるのだ。大豆油もだいじょうぶ。調理のときに高温で加熱されるから微量のたんぱくが残っていたとしても、変性してしまう。みんな、思い込みにふりまわされているのだ。</p>
<p>
	その証拠に、ぼくはえびアレルギーなのに、「かっぱえびせん」が食べられる。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	じつは、数年前まで「かっぱえびせん」にえびは入ってないと信じていた。食べても口がかゆくならないからだ。だが、あるとき調べてみたら、この商品はたしかにえびが入っていた。使用原料はクルマエビ科のとらえび、けしえび、ちこぐえびなど。そして、えびはゆでただけではアレルギーを起こすから、　「これらのえびは、ものすごい高温で煎り上げられているため、たんぱくが変性してアレルギーを起こさなくなるのだ」　という結論に達した。</p>
<p>
	たんぱくが熱で変性するのは、生の牛肉とステーキとでは味もにおいも違うことからもわかる。たんぱくの構造に化学的変化が起きているから、味もにおいも変わるのだ。</p>
<p>
	子どもがみそ汁を食べて症状が悪化するのは、もともと顔にアトピーがあったところに、塩けがついてかゆくなるだけ。食事のあと顔と手を洗えばいい。最近の研究で、発酵によって変性した大豆たんぱくにはアレルギーを起こすものは含まれないというデータもある。研修医時代から二〇年、やっとお墨付きが出たわけだ。</p>
<p>
	ただし、同じ発酵食品でもチーズはアレルギーを起こしやすい。<a href="http://www.zjxdlg.com/yoghurt/" target="_blank">ヨーグルト</a>も牛乳アレルギーの子はやめておいたほうがいい。牛乳のたんぱくをアレルギーを起こさないレベルにまで分解すると、味はまずくなる。だから、アレルギー用の粉ミルクは味がよくないのだ。まろやかでおいしいヨーグルトには、牛乳たんぱくのアレルゲンが残っていると考えたほうがいいと思う。</p>
<p>
	現在では、昔ほど神経質に大豆製品を除去する医者はいなくなった。いまや、大豆アレルギーはあまり話題に上らない。ところが先日、あるお母さんからこんな質問が出て、さすがにウッと答えにつまってしまった。</p>
<p>
	「先生、うちの子は大豆のＩｇＥが陽性です。もやしは食べさせていいですか？」</p>
<p>
	もやしは大豆を発芽させたものだ。もやしの芽の部分には、当然大豆成分が含まれると考えられる。</p>
<p>
	でも、もやしでアレルギーって聞いたことがない。少なくともぼくは、「もやしを食べてアトピーが悪化した」「じんましんが出た」という患者さんを見たことはない。もやしは発芽するとアレルギーを起こす力は低下するのか？　もやしには大豆（マメ科ダイズ属）のほかに緑豆もやしとか、あずきもやし（ともにマメ科ササゲ属）とか、ブラックマッペもやしってのもあるけど、大豆のもやしと違うのかな。</p>
<p>
	検査の数値をにらむより、アレルギーと闘うにはこういう「生活の知識」が重要である。<span style="display: none">&nbsp;<span style="display: none">&nbsp;</span></span></p>
]]>
    </content>
</entry>

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    <title>なんでもアレルギーのせいにしてはいけない</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/diagnose/post-15.html" />
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    <published>2011-12-15T05:49:05Z</published>
    <updated>2011-11-28T08:55:59Z</updated>

    <summary>アレルギーが出ているのはスギ花粉だけで、ハウスダスト（ダユ）や動物の毛などにはアレルギーはなかった。その結果、「スギ花粉症」と診断されたという。</summary>
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        <name>air</name>
        
    </author>
    
        <category term="アレルギー診断" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	ところで、アレルギー反応を引き起こすカギになる「ｌｇＥ抗体」が発見されたのは、一九六六年のこと。血液中のｌｇＥ抗体の検査が保険診療で認められて一般化したのは、一九七九年以降である。しかし、ある検査が発明されると、それに関係した病気が増える傾向がある。そのことに気を取られて、まわりが見えなくなるからである。</p>
<p>
	ぽくも、長年アレルギーの患者さんばかり見ているから、「咳が止まらない」と聞けばぜんそく、「鼻水が出る」と聞けば花粉症をすぐ頭に浮かべる傾向があって、気をつけなければいけないといつも思う。</p>
<p>
	先日も「ハナが止まらない」といって、五歳の男の子が来院した。ニカ月も前から鼻をグズグズさせていて、別の医師にかかっていたがちっともよくならないというので、ぼくのところに来たのである。飲んでいた薬の名前を確かめると、アレルギー性鼻炎の薬だった。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	最初、検査はせずに薬だけ出されたのだが、「何のアレルギーなんですか？」と食い下がったらアレルギー検査をしてくれたそうで、検査結果を見せてくれた。</p>
<p>
	見ると、アレルギーが出ているのはスギ花粉だけで、ハウスダスト（ダユ）や動物の毛などにはアレルギーはなかった。その結果、「スギ花粉症」と診断されたという。</p>
<p>
	「えっ、そんなバカな」　思わず声に出してしまった。</p>
<p>
	これは１１月の話なのである。五歳児のスギ花粉症はいまや珍しくないが、この時期にスギ花粉が飛んでいるわけがない。いくら検査が陽性だからといってそれはおかしい。お母さんが医者を替えようと決心したのも無理はない。</p>
<p>
	結局、ぼくの診断は「副鼻腔炎」だった。これが慢性化したのが蓄膿症だといえば、おなじみの病気だろう。細菌の感染症だから、抗生物質を処方して四～五日飲んだら、この子の鼻水は止まった。それにしても、どうして11月に花粉症なのか？しかしぼくはこの医師を笑えない。いう診断ミスはよく起こるのだ。この１０年ほど、たしかにアレルギーの患者さんは増えた。だからといって、なんでもかんでもアレルギーのせいにしてはいけない。ましてや、検査データだけで診断するのは過ちのもとである。<span style="display: none">&nbsp;<span style="display: none">&nbsp;</span></span></p>
]]>
    </content>
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    <title>毛か？唾液か？アレルギーでペットの運命の分かれ目</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/diagnose/post-14.html" />
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    <published>2011-12-13T05:41:57Z</published>
    <updated>2011-11-28T05:44:38Z</updated>

    <summary>ペットアレルギーで多いのは、ねこ、うさぎ、ハムスターである。これらの動物は、人間との接触が濃厚なせいかもしれない。ペットを触ったあとは、手を石けんでよく洗うこと。室内をよく掃除すること。当たり前のことだが、注意してほしい。 </summary>
    <author>
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    </author>
    
        <category term="アレルギー診断" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	ある日、ハムスターに指をかまれた子どもが来院しか。ハムスターはペットとして今やたいへんなブームになっていて、大人から子どもまで広く人気がある。ハムスターのあの無表情さが、じっと見ているとかわいくてたまらなくなるとか。しかし、ペットにはアレルギーがつきものである。</p>
<p>
	この子の症状は、衝撃的なものだった。かまれたところからワーツとじんましんが広がって、次にゼイゼイしはじめて呼吸困難におちいったのである。一分間もかまれ続けたというから、ハムスターアレルギーの人にとっては毒を注射されたも同然だ。一目見てすぐに、この子はアレルギーなんだなとわかった。</p>
<p>
	ショック症状の治療を終えると、この子のお母さんにぼくはこう言った。</p>
<p>
	「そのハムスター、当然、隣の家のねこにプレゼントしたんだろうね？」</p>
<p>
	もちろんタチの悪い冗談だ。でも、人間にかみついて、しかも重いアレルギーを起こすペットは、だれかに貰ってもらうとかして処分するしかない。</p>
<p>
	ところが血液検査をしてみると、この子は「ハムスターの毛」にはアレルギーはなかった。それならば、原因は「ハムスターの唾液」だろう。しかし、ハムスターの唾液の検査キットは市販されていないから、直接、ぼくが自分で唾液を採取するしかない。そこで、次回の診察のときに「犯人」を連れてきてもらうことにした。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	そして、その当日。診察室に入ってきた「犯人」を見たとき、ほんとにびっくりした。えらくかわいいのだ。聞くと、ジャンガリアンとスノーホワイトという二つの品種を交配したのだという。</p>
<p>
	「へえ、こんなかわいいのがかんだりするものなの？」</p>
<p>
	こう言うと、お母さんが説明してくれた。</p>
<p>
	「ほかのオスを触って、そのにおいがついた手で触ったから、攻撃されると思ってかんだのです。今度のことは私たちに責任があるので、この子（ハムスター）は悪くないんです」</p>
<p>
	なるほど。ぼくなんかより、お母さんの言うことのほうがずっと高尚である。たしかに、毛のアレルギーがなく、唾液のアレルギーだけだったら、ハムスターのせいではない。これがねこアレルギーだったら、すぐにねこを飼うのをやめないといけない。ねこは体中を自分でなめまわすから、毛にもいっぱい唾液がついていて、ねこをなでただけでもじんましんが出たりぜんそく発作を起こしたりするためだ。</p>
<p>
	でも、ハムスターは自分の体をなめたりしない。だからハムスターに触っても問題はない。ただ、ハムスターという動物の「性質」をよく理解して、かみつかれないように飼えばよい。詳しく検査をすれば、かわいいペットを飼い続けることもできるのだ。同じハムスターアレルギーでも、唾液なのか毛なのかでペットの運命は大きく分かれる。</p>
<p>
	それでも、今回の事故の原因が唾液だったという証拠は必要だと考えて、ぼくはこのハムスターの口の中にそっと綿棒をこすりつけて唾液を採取した。あくまでやさしく、「ハムちゃん」をおどかさないようにやったことはいうまでもない。その唾液をろ紙にしみ込ませ、患者さんの血清とともに専門機関に送って、患者さんにアレルギーがあるかないかを測定してもらったのだ。</p>
<p>
	ただし、その血清がハムスター唾液に対するｌｇＥ抗体が陽性だと判定するためには、比較するための陰性の検体が必要になる。それにはぽくと妻の血清を使うことにした。妻の血清まで用意したのは、高校生の時分に迷路でねずみを走らせたりしてさんざんねずみを触っていたから、ぼくも感作されているかもしれない、と心配だったからである。結果は、ぽくも妻も陰性で、患者さんだけが陽性だった。</p>
<p>
	なお、ペットアレルギーで多いのは、ねこ、うさぎ、ハムスターである。これらの動物は、人間との接触が濃厚なせいかもしれない。ペットを触ったあとは、手を石けんでよく洗うこと。室内をよく掃除すること。当たり前のことだが、注意してほしい。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
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    <title>バナナかえびか？　検査が治療の決め手になるとき</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/diagnose/post-13.html" />
    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.14</id>

    <published>2011-12-11T03:56:40Z</published>
    <updated>2011-11-28T05:35:45Z</updated>

    <summary>ＩｇＥ値だけでアレルギーは診断できない。検査というのはその数値を見て、どう判断するかが大事なのである。</summary>
    <author>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	しつこいようだが、ＩｇＥ値だけでアレルギーは診断できない。検査というのはその数値を見て、どう判断するかが大事なのである。</p>
<p>
	きわめつきの例があった。生後九ヵ月の赤ちゃんの話だ。ある夜のこと、八時ごろにバナナを一切れ食べさせてから母乳を飲ませた。一一時半ごろになって、全身にじんましんが出ているのを発見。食べたものを吐いて、ゼイゼイして苦しがりだした。アナフィラキシーショックである。一刻を争う事態で、救急車で大きな病院にかつぎこまれた。</p>
<p>
	翌日、相談に来たお母さんと議論になった。</p>
<p>
	「私はその日夕食にえびを食べたんです。だから、病院の先生はえびが原因だろうと。バナナではショックは起こさないだろう、って」</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	そこでぽくは、こう言った。</p>
<p>
	「そりゃバナナだよ、バナナが原因でしょう」</p>
<p>
	お母さんが食べたえびは消化されるが、一部のたんぱくは未消化のまま血液に入り、母乳にも出るかもしれない。しかし、それはごく微量である。ショックを起こすとしたら、直接食べたバナナの疑いが濃厚である。</p>
<p>
	血液検査をすると、バナナの特異ＩｇＥ値が二Ｏ・五四Ｕと出た。えびにもアレルギーがあった。でもＩｇＥ値はＩ・０Ｕ台で、このくらいのアレルギーなら母乳に出る量では症状は出ないと読める。果物ではキウイ、メロンがアナフィラキシーショックを起こすことで有名だが、バナナによるショックも珍しくはない。</p>
<p>
	ここで、「えっ、アレルギーってたんぱくで起こるんじゃなかったの？」と思ったあなたは、かなりのアレルギー通である。そのとおりで、ＩｇＥ抗体はたんぱくの分子にしか結合しない。でも、どんな果物にも必ずたんぱくは含まれているので、アレルギーを起こす可能性があるのだ。</p>
<p>
	さて、この検査はぽくの推理が正しいこと至畏付けたわけだが、もし、えびとバナナのＩｇＥ値が両方とも高かったらどうだろう。その場合は、食べたえびが母乳に出るタイミングと赤ちゃんがバナナを食べるタイミングがちょうど重なってショックになった、と見る。</p>
<p>
	あのとき、もしお母さんが最初の病院の診断どおりに「原因はえびなのね」と納得してしまって、バナナの検査をしなかったとしたら、それこそ危険である。いつ再びアナフィラキシーショックを起こすかわからないのだから。</p>
<p>
	アレルギーに対処するには、こういう小さな事実をひとつひとつ、ていねいに見ていくことが大切だ。アレルギーという現象は、バイオアッセイ（生物検定）、つまり言葉は悪いが人体実験をしてるみたいなもの。症状が出たら、</p>
<p>
	「えっ、今回のこれはなんで出だのかな」</p>
<p>
	と、分析するチャッスだと思えばいい。そこで医者と患者が話し合いながら経験と推理を積み重ねていけば、「アレルギー？　あるけど全然だいじょうぶ」という境地に、誰でも達することができるだろう。<span style="display: none">&nbsp;<span style="display: none">&nbsp;</span></span></p>
]]>
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    <title>アレルギー診断のムダな検査と必要な検査</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/diagnose/post-12.html" />
    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.13</id>

    <published>2011-12-09T01:19:44Z</published>
    <updated>2011-11-28T03:56:20Z</updated>

    <summary>検査したほうがいい場合もある。卵や牛乳、小麦のアレルギーなどのようにアレルギーの「種類」と「強さ」によっては重い症状が予想される場合と、原因を細かく調べることで、より正しい解決策が得られる場合である。 </summary>
    <author>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	ぼくは花粉症の人にアレルギーの検査をする気にはなかなかなれない。検査しなくても簡単に診断できる病気だからである。それどころか、医者でなくてもけっこう正確に診断できるかもしれない。同じような症状の人はまわりにいくらでもいるからだ。</p>
<p>
	スギ花粉の飛ぶ時期に一致してくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出る。そんなとき隣に座っている同僚から、</p>
<p>
	「わたしと同じ症状ね。きっと花粉症だわ。お仲間ね」とでも言われたら、きっと納得してしまうだろう。</p>
<p>
	そして、ぼくが診察したとしても、お話しする内容はこれとたいした差はないのである。検査しなくたって、原因はスギの花粉に決まっている。</p>
<p>
	ぼくの医院は小児科以外にアレルギー科も標榜しているので、毎年二月、三月になると「花粉症になったみたいなんです」という大人の患者さんもたくさん見えるが、まず、「検査しますか？」と言って、反応をうかがうことにしている。</p>
<p>
	「ウーン、どうしましょう」と考え込むようだったら、ひと呼吸おいて、「かゆいですか。かゆければ花粉症でしょう、検査はいりません。治療だけしておきましょう。花粉症なら同じことがまた来年起こります」と話してすませている。</p>
<p>
	花粉症の人は目がかゆい。鼻の中もかゆい。耳の穴がかゆいという人もいる。アレルギーとはかゆいものなのである。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	では、もし次の年に症状が出なかったら？　もちろん、「花粉症です」との診断を撤回するのだ。そして、原因をつきとめる必要があればそのときはじめて検査をする。ムダな注射（採血）はしたくない。</p>
<p>
	これは他の多くの医師も同じ考えだと思う。それでも花粉症のアレルギー検査をするのは、おそらく、患者さんに診断を納得していただくための一種の「サービス」みたいなもので、「ほら、スギ花粉のＩｇＥ抗体がありましたよ。ＩｇＥ抗体ってのはアレルギー反応の引き金をひくもので、血液中にこれだけ出るということは、目にも鼻の奥にも、体じゅうの細胞にスギのＩｇＥが散らばっているんです。だから、あなたはスギの花粉アレルギーなんですよ。対策は薬を飲んでマスクをして&hellip;&hellip;」</p>
<p>
	とまあ、こんな具合に数字を示されれば、「そうか、いやだけどマスクはしなくちやいけないんだな」と思っていただけるわけである。</p>
<p>
	ここであなたが、「でも、スギの花粉がこの鼻水の原因だっていう証拠にはならないでしょう」と食い下がると、耳鼻科などではスギ花粉のエキスを鼻の中にたらして、誘発試験をやってもらえるかもしれない。でも、それにしたって、百パーセントの証拠とは言えない。二週間前にひいたかぜをこじらせていて、そのための鼻水という可能性だってなくはない。</p>
<p>
	ぜんそくの検査も似たようなものだ。ほとんどの人がダニアレルギーの抗体をもっているので、検査しても意味がない。アトピー性皮膚炎もそうだ。くわしく原因を調べるのに検査が必要なことはあるが、アトピーかどうかは症状を見ただけで簡単に診断できる。</p>
<p>
	ただし、検査したほうがいい場合もある。卵や牛乳、小麦のアレルギーなどのようにアレルギーの「種類」と「強さ」によっては重い症状が予想される場合と、原因を細かく調べることで、より正しい解決策が得られる場合である。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
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    <title>ＩｇＥ値が高くても、症状が出るとは限らない</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/diagnose/post-11.html" />
    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.12</id>

    <published>2011-12-07T16:17:45Z</published>
    <updated>2011-11-27T16:22:51Z</updated>

    <summary>アトピーやぜんそくの人の中には、検査をしてＩｇＥ値が高いと「こんなに高いのでは、いくら努力しても治らないんだろう」と落ち込む人がいるが、おかしなことだ。ＩｇＥ値が高いから病気になるわけではない。</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	四五歳のときに、ひさしぶりに行った血液検査の結果だ。血液の中に「何に対するｌｇＥ抗体がどれだけ含まれているか」を示す数値が並んでいる。</p>
<p>
	たとえば、「スギ花粉一七・九八Ｕ」というのはスギ花粉に反応してアレルギーを起こす抗体の量のこと。すでにアレルギーの症状が出ている場合、この数字が大きいほど症状も強いと考えていい。ほかにも、ねこやヒノキ花粉、食物ではえび、かになど、いろんなものにアレルギー抗体をもっていることがわかる。</p>
<p>
	ぼくが自分の食物アレルギーに気がついたのは小学生のころで、あさりやしじみのみそ汁を飲むと、のどがかゆくなった。次に貝を食べたのは大学時代で、あさりの酒蒸しは食べることができた。たこやいかも食べられなかったが、今ではたこ焼きぐらいなら平気。いか刺を食べるとのどがイガイガする不快感がある。</p>
<p>
	ただし、これがぽくがもっているアレルギーのすべてとは限らない。</p>
<p>
	この検査はリトマス試験紙を浸して検体をひとつずつ調べるみたいなものだ。スギ花粉を人れたら反応があった。ダニも反応があった。でも、卵白はほとんど何も起こらない。こんなふうに、疑わしい物質をリストアップして、その物質に対する抗体の有無をひとつひとつ調べるという、あまり効率的でない検査なのだ。それに保険の関係上、一度に検査できるのはせいぜい一五項目くらいと決まっている。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	さて、ぼくのデータで第一に注目すべきはダニのＩｇＥ値だ。これはけっこう高い。アトピーやぜんそくを起こしても不思議ではない数値だ。ぜんそく患者の九割近くはダニのＩｇＥをもっている。ところが、ぼくはぜんそく発作は一度もないし、アトピーも出たことがない。</p>
<p>
	つまりぼくは、　「ＩｇＥ値が高いからといって、症状が出るとは限らない」</p>
<p>
	という見本みたいな人間なのである。</p>
<p>
	アトピーが出ないのは、皮膚がじょうぶだから？　たしかに、ぼくは日焼けしても皮膚が赤くなったりはれたりしない。かゆみに鈍感でひっかかないから？　これもそんな気はする。性格的に神経質なところは全然ないからだ。</p>
<p>
	それと、食物アレルギーが軽い場合、アレルギーに気づかずに食べていることが多いので、日常的にかゆみが持続してアトピーの原因になることがある。</p>
<p>
	ところがぼくは、えびもいかもかにもアレルギーが強すぎて食べられない。のどがかゆくなつたり吐き気がしたりして、飲み込めないのだ。それもアトピーが出なかった理由のひとつかもしれない。</p>
<p>
	では、ぜんそくにならないのはホコリの少ない環境にいるから？　今の仕事場はフローリングの床で空気清浄機付き。でも、学生時代は六年間ひとり暮らしの下宿生活で、掃除なんてめったにしなかったし&hellip;&hellip;。うん、確かなことは何もわからない。</p>
<p>
	ただ、少なくとも次のことは言える。ぼくのようにＩｇＥ抗体があってもアレルギーの症状が出ない人聞かいるということは、少なくとも、「アレルギーは治らない」という論理は成り立だない。「アレルギーになる（感作される）」とは、体の中に「ダニや花粉など、ある特定の物質に対する免疫抗体ができた」ことを意味する。でも、ＩｇＥ抗体の持ち主に必ず症状が出るわけではないからだ。</p>
<p>
	アトピーやぜんそくの人の中には、検査をしてＩｇＥ値が高いと「こんなに高いのでは、いくら努力しても治らないんだろう」と落ち込む人がいるが、おかしなことだ。ＩｇＥ値が高いから病気になるわけではない。</p>
<p>
	ＩｇＥ値だけ見て一喜一憂するより、ＩｇＥ値が高くてもアレルギーを出さない方法を探すべきだと思う。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
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<entry>
    <title>アレルギー反応は体に迷惑な反応</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/diagnose/post-10.html" />
    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.11</id>

    <published>2011-12-06T14:38:33Z</published>
    <updated>2011-11-27T14:42:47Z</updated>

    <summary>アレルギーは防衛反応ではなく、ひたすら迷惑なだけである。「花粉症の鼻水は花粉を洗い流す。アトピーの人は皮膚を爪でひっかいて、ダニを削り落とす」。それらは人体にとって、何の役にも立だない反応なのである。</summary>
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        <category term="アレルギー診断" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	ところで、えびアレルギーのぽくがうっかりえびを食べてしまったとすると、何が起こるのだろうか。食物アレルギーといえば「そばアレルギーでショツク死」といったこわいイメージをもつ人が多いが、食べてすぐショツク死するわけではない。</p>
<p>
	最初は気持りが悪くなって吐きたくなる。ここで吐くのを我慢すると、たいへんなことになるのだ。全身がかゆくなってじんましんが出る。そのうち、のどの内側がはれあかって息苦しくなる。咳も出るだろう。最後には意識がなくなって、最悪の場合はショック死する。こういう急激な反応を、アナフィラキシーショックという。</p>
<p>
	えびを食べたくらいで、なんでこんな悲惨なことになるのか。医学的には普通、次のように説明される。</p>
<p>
	まず、ぽくが食べたえびのたんぱくは消化吸収されて、血液中に入り、全身に運ばれる。アレルギーを起こすｌｇＥ抗体は目にも鼻にも皮膚にも口の中にも、のどの奥にも、体じゅうに散らばっているから、あちこちでアレルギー反応が起こる。すると次のステップとして、肥満細胞と命名された免疫系の細胞から、ヒスタミンという化学物質が飛び出てくる。</p>
<p>
	体の中でいちばん重要な部分は脳と心臓である。ここにえびのたんぱくが行っては困るのだ。どうすればいいか。血液量を減らして、脳や心臓に行かないようにすればよい。てっとり早く血液量を減らすには、血圧を下げることである。この役割をするのがヒスタミンなのである。</p>
<p>
	ヒスタミンの作用で脳に流れていく血液が減り、意識を失う。急激な血圧の低下は心不全につながり、死に内結する。じんましんのかゆみもヒスタミンの作用で、皮膚に出てきたえびのたんぱくを爪でかきとろうというのが目的である。のどの粘膜がはれるのは、血液の中からえび入りの成分がしみ出てくるからだ。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	しかし、こうした「目的論」が本当に正しいかどうかはわからないし、ましてや「えびは敵。アレルギーは味方（防衛反応）」とは言いすぎだ。それに、こんな話を聞くと患者さんは、</p>
<p>
	「そうか、アレルギーつてしかたがないのか」</p>
<p>
	と、あきらめの境地に入ってしまう。これがいちばんいけない。薬をもらって飲んだり塗ったりしてよくならなくても、「アレルギーだから仕方ない」でかたづけてくれれば医者には都合がいいかもしれないが、患者さんには何の慰めにもならない。</p>
<p>
	アレルギーは防衛反応ではなく、ひたすら迷惑なだけである。「花粉症の鼻水は花粉を洗い流す。アトピーの人は皮膚を爪でひっかいて、ダニを削り落とす」。それらは人体にとって、何の役にも立だない反応なのである。</p>
<p>
	ぼくに言わせれば、えびなんて命を賭けて食べるほどおいしいものではないから食べなきやいいだけ。ダニや花粉がくっついたら洗って落とせばいい。あるいは、くっつかないようにガードする。こんなふうに割り切って考えたほうが、アレルギーの患者さんはもっと前向きに対処できると思う。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>ダニ退治さえしていればいいというものではない</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.twaqe3.com/cat7/capture/post-9.html" />
    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.10</id>

    <published>2011-12-04T14:04:04Z</published>
    <updated>2011-11-27T14:34:56Z</updated>

    <summary>ぜんそくの患者さんのほとんどはダニのアレルギーがある。ダニは生活の中で出るホコリの中に何億という単位で潜んでいるから、ダユを完全に排除するのは不可能に近い。では、ぜんそくはどうやって治したらいいのだろう？</summary>
    <author>
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    </author>
    
        <category term="アレルギー攻略" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	ステロイド剤はぜんそくの治療にもよく使う薬だ。アトピーとは違って、ステロイドの吸入をいやがる患者さんは少ないようである。この数年で、ぜんそくのステロイド吸入療法はすっかりオーソドックスな治療法になった。</p>
<p>
	内服にくらべたら、副作用の危険ははるかに小さい方法だが、それでもぼくはすんなり受け入れることができない。感染症を悪化させるなどの心配はつきまとうし、ぜんそく発作を薬で抑え込むだけでは、ほんとうの意味で治療したことにならないと思うからである。</p>
<p>
	ただ、ぜんそくの患者さんのほとんどはダニのアレルギーがある。ダニは生活の中で出るホコリの中に何億という単位で潜んでいるから、ダユを完全に排除するのは不可能に近い。では、ぜんそくはどうやって治したらいいのだろう？</p>
<p>
	ここで、よくあるぜんそく卒業のパターンをひとつ紹介しよう。</p>
<p>
	去年の夏のことである。「この子は大学病院でぜんそくと言われて治療をしているんですが、いっこうによくならないし、遠くてとても通いきれなくなりまして」と、子どもを連れたお母さんが診察室に現れた。患者さんは小学校二年の女の子。六月ごろから鼻血がよく出るようになって、どうしたんだろうと心配しているうちに、八月に入ると咳き込むようになったという。大学病院で血液検査をするとハウスダスト、つまりダニのアレルギーが出た。</p>
<p>
	「これは生活環境に問題があるからダユ退治を」と言われたお母さんは、朝晩掃除をした。カーテンを洗い、じゅうたんを捨てた。防ダニふとんカバーを買い、枕の中身はパイプに替えた。本に書いてあるようなダニ対策は全部やったわけだ。ぜんそく発作を鎮めるための気管支拡恨剤も毎日飲んでいた。だが、予どもは相変わらず発作を繰り返している。</p>
<p>
	そこでぼくは言った。　「お母さん、なんか見落としているんじゃないの？」</p>
<p>
	この子がダニアレルギーであることは間違いないが、血液検査でダニのｌｇＥ抗体が出ても発作の出ない子はたくさんいる。今、なぜ、どういう状況で発作が起こったかという原因究明が物足りないと思ったのだ。</p>
<p>
	まず、鼻血がよく出るのは、鼻をごしごしこすったことを意味している。こするのは、鼻がかゆいからだ。鼻の粘膜にダニがくっついてかゆくなったのだろう。とすると、ぜんそく発作が始まったのは八月としても、鼻血が出始めた六月に、すでに何かぜんそくを引き起こすような原因があったはずである。</p>
<p>
	そこまで話すと、お母さんがアツ、と小さく叫んだ。　「そういえば、六月に知人から布ソファをもらったんです」　「元凶はそれだよ、お母さん」</p>
<p>
	しかも、ソファの元の持ち主は犬を室内で飼っていた。毛がもじゃもじゃのワンちゃんがソファの床に寝そべっている図が目に浮かぶ。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	さらに悪いことに、この女の子には三歳の弟がいた。この弟がまた、とんでもない疑れん坊である。診察室になだれ込んできて、走り回る。夏はぜんそく発作の少ない季節なのに、八月にぜんそく発作が出始めたのはきっと、この弟が原因だ。夏休みに入る。暑い。クーラーをかけて窓を閉める。そして、ソファの上で飛び跳ねる。そのたびに、ダユでいっぱいの圧縮空気がプシューとソファから吐き出されるわけだ&hellip;&hellip;。</p>
<p>
	この女の子はすでにぜんそく患者の認定を受けていて、自己負担ゼロの医療券をもってきていた。大学病院の医師は「これは長くかかる」と判断したのだ。だが、それももうじきに不要になるだろう。ソファをかたづけ、弟をおとなしくさせるか、塾にでも行って静かに勉強する生活が始まれば、発作は止まるはずだからである。発作の原因はダニだらけのソファというより、暴れん坊の弟たった、というのがぼくの結論である。</p>
<p>
	アレルギー発作は、アレルゲンと接触すれば必ず症状が出る、というような単純なものではない。それに、血液中にダユに反応するｌｇＥ抗体がたくさんあっても、全然症状が出ない人はたくさんいる（ぼく自身もそうである）。</p>
<p>
	たとえば、ダニアレルギーのためにぜんそく発作が止まらない人がいたとしよう。その人を徹底的にダニを排除したクリーンルームに閉じ込めて、発作が止まればたしかにダニが原因だろう。でも、現実にダニを完全除去するのは不可能だし、たとえダニがいる環境にいても、二四時間発作が連続してるわけではない。ある程度ダニがいても、発作が出ない状況が必ずあるのが。その状況がどんなときか極めるのが先決だ。げんそく患者の顔を見るなり、「畳をはがして、フローリングに」なんていう生活指導は間違っているとぽくは思う。畳があっても発作を出さない工夫ができるかもしれないからである。</p>
<p>
	アレルギーの治療は「ある日、あるとき、ある場所で」、そのアレルギー発作が出だのはなぜか、発作の起こる条件を地道にひとつひとつつぶしていくしかない。また、結局はそれがいちばんの近道なのである。ぜんそくは発作をいったん完全に止めてやれば、気管支粘膜の過敏さもだんだん薄れてきて、発作が起きにくくなる。このとき、血液検査をするとまだダニアレルギーはあるが、とにかく症状さえ出なければ「ぜんそくは治った」と考えていい。</p>
<p>
	では、何か発作の条件になりやすいかというと、子どもの場合は、室内で大騒ぎすること。これが最大の問題点だとぼくはいつも言っている。閉めきった部屋でのボール投げ。寝る前にふとんの上でふざけっこ。まったく無謀な行動である。暴れるとホコリが舞い上がるし、ハアハアやるので気管支粘膜が乾いたりして、発作が起きやすくなるのだ。</p>
<p>
	ぜんそくの子どもは外で暴れさせよう。家の中で騒ぎ始めたら、夜でもいい、お父さんと公園にでも行って、レスリングでもかけっこでもさせればいい。もちろんスポーツは戸外に限る。</p>
<p>
	それともうひとつ、かぜをひいたあとに発作が続くことが多いので、早く治療をして早く治す。これが小児ぜんそく治療の二大ポイント。ぜんそくが出たら、ダニ退治さえしていればいいというものではないのだ。</p>
<p>
	二人で協力して診療を行っているぼくたち夫婦は、最近、こんなふうに言い合うことが多くなった。</p>
<p>
	「ぜんそくの治療は楽になってきたねえ」</p>
<p>
	ぼくのクリニックはぜんそくの患者さんが多く、開業した当初は発作が止まらなくて点滴用のベッドを使う子どもが週に何人かいた。日曜の夜にも急患が来たり、入院の手配をしたり、いろいろたいへんだった。しかし、最近はめったにベッドを使わない。</p>
<p>
	赤ちゃん時代から診ていたアトピーのお子さんが二から三歳でぜんそくを発症するケースもあるが、軽く済んでしまう子が多くなった。発作のたびにしつこく原因を追求し、発作の出るような状況を避けるように、根気よく生活管理をしてきたおかげだ。薬に頼りきった医療をやってないからだと思う。</p>
<p>
	ぜんそくの発作止め用に使うモーター式の吸入器は、以前は病院にしか置いてなかったが、最近は小型の家庭用吸入器が普及していて、医者もわりあい気軽に「ハイ、吸入用の気管支拡張剤のアンプルニ週間分。朝晩吸入するんだよ」などとやっている。これがあれば、すぐに発作が止められるので、普通に生活できる。しかし、薬で完全に発作を抑え込んでしまったら、その子どもの生活の中で、何がぜんそくを引き起こす原因になっているのかが見えなくなってしまう。</p>
<p>
	発作が出たら、まず主治医の指示どおりに薬を飲ませたり、吸入をさせる。次に窓を開けて戸外の空気を吸わせる。近所を散歩するのもいい。こうしてアレルゲンから離し、薬が効くまでの時間かせぎをするのである。すると、たいていの発作は止まる。それから何が原因で発作が起きたのか、ゆっくり考えればいい。</p>
<p>
	台風の前に発作が出る「台風ぜんそく」、冬ぶとんを出した日に出る「冬支度ぜんそく」、ホコリだらけの塾が原因の「塾通いぜんそく」、体育館でのスポーツが原因の「スポーツぜんそく」などの呼び名があるように、その子によって発作の原因はさまざまなのだ。</p>
<p>
	また、薬があるうちは診察に来なくなるのも問題だ。子どものぜんそくやアトピーは、たびたび診察に来てもらって、あきらめずにいろいろ話し合うことが大切だからである。ぜんそくは、できることなら小学校に上がる前に「卒業」させてあげたい。そのためには、せめて二週間に一度、しつこいくらいに顔を見せてもらいたいとぼくは思っている。</p>
<p>
	アレルギーが起こる原因は一人一人違う。それを突き止め、アレルギーをやっつけるには、「しつこい性格」というのが必須条件だと思う。花粉症もアトピーもぜんそくも、アレルギーは体質の問題ではなく、生活の問題なのである。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
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    <title>なぜ花粉症にステロイド注射？</title>
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    <published>2011-12-03T13:55:29Z</published>
    <updated>2011-11-27T13:59:07Z</updated>

    <summary>花粉症患者に『デカトロン』というステロイド剤を注射しています。花粉症による鼻づまりで不眠になるような重症患者でも、この薬を注射すると、ピタリと症状が治まることが多い</summary>
    <author>
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        <category term="アレルギー攻略" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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        <![CDATA[<p>
	ただし、ステロイドを飲むとか注射をするとなると、話は別である。去年あたりから、「花粉症にステロイドの筋肉注射を一本」なんて記事が週刊誌になんの疑問もなく載るようになっているのは、ぽくにはほとんど悪い冗談としか思えない。</p>
<p>
	たとえば、ある耳鼻科医は週刊誌でこう語っていた。　「私の病院では、花粉症患者に『デカトロン』というステロイド剤を注射しています。<br />
	花粉症による鼻づまりで不眠になるような重症患者でも、この薬を注射すると、ピタリと症状が治まることが多い」</p>
<p>
	こんな医者がいるなんて。デカトロンというのは相当に強いステロイド剤で、重症のぜんそく発作やショック状態など、まさに生か死かという病気のときに使うことを許される。</p>
<p>
	ステロイド剤の強い作用を継続的に受けると、ホルモン異常を起こして血糖値が上がったり、免疫力が低下して感染症を起こしやすくなる。白内障を起こしたり、骨粗しょう症になったり、子どもでは成長障害が出ることもある。どれも重大な副作用ばかりだ。こういうことは、医者なら誰でも知っているはずだ。抗がん剤などと同じで、それでも病気を冶すためにあえて危険をおかさねばならないときの薬が、デカドロンなのである。「ピタリと症状が治まる」のは当然で、こんな人をバカにした話はない。</p>
<p>
	花粉症で注射を打ってもらったという患者さんは、ぽくのところにも何人か現れた。知らん顔して、こう質問してみた。</p>
<p>
	「注射？　何の注射ですかねえ。よくなりました？」</p>
<p>
	「何の注射かは聞いてないんですけどね、すごい効きめですよ。打ったあと、体がポッポツして、食欲は出るし、なんか元気になった感じです。顔はつっぱったみたいになって」</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	ステロイド剤とは知らないで注射を打たれた人もいたのだ。「一回打てば１ヵ月はもつからね」といわれて耳鼻科で打ってもらったそうである。一ヵ月もつということは、体の中に薬がそれだけ長く残るということで、副作用も大だという意味なのだ。</p>
<p>
	体がほてる、顔がつっぱる。これらは明らかにホルモンの異常で、ステロイド剤の副作用の兆候である。「なんか若返った感じ」と言う人もいた。なんてアホなことを！三〇年も花粉症に苦しんできたぼくでさえ、ステロイド剤の注射を打ったことは一度もないのに。</p>
<p>
	病院で「セレスクミン」というステロイド剤の内服薬を出されたという患者さんもいるが、飲み薬も注射と同じで、作用は全身に及ぶ。幼児の花粉症にセレスタミンを処方するなんて、とんでもない医者である。</p>
<p>
	あの先生は名医だ、爪症のアトピーもぜんそくも一発で治す」という噂を聞いて、真相を確かめてみると、患者さんには内緒でステロイド剤を飲ませていたとか、特効薬と称して強いステロイドをこっそり混ぜたクリームを塗らせていた&hellip;&hellip;。昔からよく聞く話である。</p>
<p>
	最近、アトピービジネスが社会問題になっているが、それらの民間療法よりも、医療行為として行われているだけに、こちらのほうがよほど問題なんじやないのか？　とぼくは思う。いまだにそんな詐欺まがいの「名医」がいるとは、とても信じられないが。</p>
<p>
	ぼくがステロイド剤の内服を認めるとしたら、修学旅行や林間学校などにぜひ参加したいという重症のぜんそく児や、入社・入学試験で発作を起こしたら困るぜんそくの患者さんの場合だけである。<span style="display: none">&nbsp;</span></p>
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    <title>強いステロイド剤も使い方次第</title>
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    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.8</id>

    <published>2011-12-02T13:47:06Z</published>
    <updated>2011-11-27T13:50:23Z</updated>

    <summary>アトピーの人の皮膚は下着の縫い目がこすれただけで赤くなるくらい、刺激に弱い。だから、「そっとしておくこと」がなかなかできない。だらだらと治りきらない状態が続くと、つい長くステロイド剤を塗ってしまいがちだ。弱いステロイド剤でも、長く塗れば副作用が出る。</summary>
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        <![CDATA[<p>
	アトピーの人の皮膚は下着の縫い目がこすれただけで赤くなるくらい、刺激に弱い。だから、「そっとしておくこと」がなかなかできない。だらだらと治りきらない状態が続くと、つい長くステロイド剤を塗ってしまいがちだ。弱いステロイド剤でも、長く塗れば副作用が出る。</p>
<p>
	最近の若い人はこのへんのことは承知しているので、初診のときに「ステロイドは使いたくないんです。いろいろ問題もあるようだし」と、はっきり言われるケースが増えてきた。いいことだと思う。そんなとき、ぽくはその意向に従うことにしている。治療というのは医者と患者が納得しあって進めるものだからだ。</p>
<p>
	ただ、アトピーが重症になってしまったときは、ステロイド剤を使わないで治そうとするとたいへんな時間と手間がかかるのも事実である。</p>
<p>
	ぽくのところにはかなり重症のアレルギーの患者さんも通って来ている。血液検査ＩｇＥ値を調べると、卵にも牛乳にも小麦にも強いアレルギーがあって、どれもが最高レベルの「スコア六」というような人が何人かいる。こんな重症のアレルギーはほんとうにまれなのだが、こうなると除去食療法は不可能である。アレルゲンを全部除去したら食べるものがなくなる。</p>
<p>
	もちろん、えびやかにのようにショックを起こす危険のある食物だけは禁止するが、食事指導と少々のステロイド軟膏ではなかなか、スベスベという皮膚にはならない。毎日かゆくなるものを食べているのだから、当然だ。</p>
<p>
	「もっと強いステロイド剤を使って、早く軽症の状態にもっていきたい」とぽくが思うのはこんなときである。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	ところが、そんな患者さんのひとりがＩヵ月ほど、ぱったり診察に見えなくなったことがあった。そして、つぎに診察室へ現れたとき、ぽくは目を疑った。皮膚がものすごくきれいになって、ニコニコ笑っているのだ。ぼくは思わず、「どうしたのっ」</p>
<p>
	「じつは、ほかの病院で強いステロイドを&hellip;&hellip;。それはもう、ベットリ塗りました」こんなとき正直いって、ホッとしてしまう。</p>
<p>
	表現が不謹慎で申しわけないが、これは「誰かれこの首に鈴をつけるか」という話なのだ。誰かがステロイド剤という「鈴」をつけてくれれば、あとは楽にメンテナンスができるのである。実際、この子はその後、弱いステロイド剤とワセリン、かゆみ止めの飲み薬程度できれいな皮膚を保っている。</p>
<p>
	よくよく聞けば、ステロイド剤をべ夕塗りしたのは軟膏療法においては日本一とも言われる皮膚科の名医だった。食事アレルギー指導の担当はぼく、皮膚のトラブルはその名医、というように使い分けたわけだ。なかなか賢い患者さんである。</p>
<p>
	世の中には数多くの病気があるが、ピリッとよく効く薬があるものはわずか。使う使わないは別にして、効く薬があるのはラッキーなことだ。少なくとも、ステロイド剤という伝家の宝刀を手元におけるのは、「アレルゲン排除」が不可能な重症のアレルギーの人にとっては心強いことである。</p>
<p>
	ただし、強いステロイド剤を長く使えば副作用の危険も増す。</p>
<p>
	ぼくが強いステロイドの塗り薬を使うのは、結婚式当日はきれいな肌でいたいというアトピーに悩む花嫁さんや、入学試験の面接でボリボリひっかいては困るという受験生など。いずれの場合も、使うのは三日以内で充分だ。こういう使い方は、「ウェディングーステロイド」「お受験ステロイド」と言われる。やさしさがあって、意味のある造語だと思う。</p>
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    <title>薬が効かない「ストレスのアトピー」</title>
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    <id>tag:www.twaqe3.com,2011:/cat7//2.7</id>

    <published>2011-12-01T13:37:09Z</published>
    <updated>2011-11-27T13:43:27Z</updated>

    <summary>ストレスのアトピーは「のんびり待つ」「ゆったり見守る」がいちばんの薬なのだ。子どもは体だけでなく、心も日々ぐんぐん成長しており、必ずストレスを乗り越える力がついてくるからである。それまでの間、薬で症状を抑えていても害はない。</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.twaqe3.com/cat7/">
        <![CDATA[<p>
	赤ちゃんのひっかき病はかゆい湿疹があるために起こるが、「かゆくないのに、ひっかくアトピー」というのもある。この場合はいくらステロイドを塗っても治らない。</p>
<p>
	ステロイドは劇的によく効く薬だ。たとえば、ひどい虫刺されに塗ってみる。たちまち赤みは消え、はれがひき、かゆみも止まる。「赤くはれる」というのは炎症で、ステロイドは原因が何であれ、火に水をかけてシャツと消すように、炎症を止める薬なのだ。だから、ステロイドを塗っても湿疹が消えないときは、「アトピーはアレルギー病だ」「アトピーは刺激に弱い」というりえか・いったん頭の中から追い出して、何が真の原囚なのかを、症状を観察しながら探してみたらいいと思う。</p>
<p>
	新学期が始まつてしばらくしたころ、「アトピーが悪化して。薬を塗っても治らないので来ました」と、小学校三年生の女の子が来た。家ではそうでもないのだが、授業中にもかゆくてボリボリひっかいてしまうという。検査でダユアレルギーが出ている患者さんだったから、「暖かくなってきたし、やっぱりダニが原因でしょうか」とお母さんは心配そうに言うのだが、「それは違うと思いますよ」とぼくはいった。</p>
<p>
	ダニ、つまりホコリは家より学校のほうが少ない。授業中にひっかいて、家ではあまりかゆくないというのは、ダニが原因ではない。担任の先生やクラスが替わると、そのストレスでアトピーが悪化する子どもは多いのだ。</p>
<p>
	「学校でのストレスでしょう。夏休みに入ればよくなりますよ」</p>
<p>
	雅実、そのとおりになった。でも、二学期になると、また悪化した。「かゆくて我慢できないと保健室で寝ていることもあるが、そのときはかゆがらない。教室に戻るとかゆく々る。そしていったんかきだすと止まらなくなる。放心状態でボリボリひっかくので、担任の先生も困っているという。これはたんに、「かゆいからかいている」状態ではない。ひっかくという行為によって見えないバリアを張りめぐらせ、自分の世界に閉じこもっているのである。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
	そういえば、診察室でも「かくんじやないよ」と注意したとたん、ボリボリかきはじめる子供いる。大人でも、都合の悪い質問をされると鼻をつまんだり、頭をかく人がいるが、あれと同じことだろう。</p>
<p>
	ストレスでアトピーが悪くなる小学生はここ数年、急に増えたと思う。「かゆくて学校に行けない」と言いだす男の子もいた。その子は三人きょうだいの末っ子で、見るからに甘やかされて育っていた。</p>
<p>
	お母さんは「学校のホコリが悪いのでは」と言ったが、ぽくは「これは新手の登校拒否だよ。もっと厳しく接しなければいけないよ」と忠告した。最初はなかなかわかってもらえなかっなが、何度か診察するうちにお母さんも「甘やかしすぎだった」と認めるようになり、それとともにアトピーの症状も消えていった。</p>
<p>
	このタイプのアトピーは手の届くところは全部ひっかくため、かなり見た目が悪くなる場合がある。でも、ストレスでアトピーが悪化したのなら、それは一時的なものだ。親や周囲の大人が「そうか、この子は心の自立ができていないんだな」と気づいて、自立を応援するように心がりていると、心の成長とともに病気はよくなっていく。</p>
<p>
	つまり、ストレスのアトピーは「のんびり待つ」「ゆったり見守る」がいちばんの薬なのだ。子どもは体だけでなく、心も日々ぐんぐん成長しており、必ずストレスを乗り越える力がついてくるからである。それまでの間、薬で症状を抑えていても害はない。</p>
<p>
	大人のアトピーも、基本的には同じだろう。銀行員や商社マン、新聞記者など、「会社に行くとかゆくなる。我慢できなくて、ワイシャツの上からひっかいてしまう」というサラリーマンは多い。でも、休みの日はかゆくないのだ。世の中からストレスをなくすことは不可能なので、「自分で自分の心を静かにさせる方法」を見つけると、アトピーは治る。</p>
<p>
	大人のアトピーの場合、ヨガや体操をはじめたら治ったとか、絶食療法が効いたという人もいるが、それは静かに自分を見つめ直すきっかけになり、心が強くなったからだとぼくは思っている。</p>
<p>
	最近、アトピーの温泉療法というのがあるが、大金を投じることによって「絶対治すのだ」という自信が得られると治るのかもしれない。どうせ温泉につかるのなら、ひなびた温泉宿にでも行ってのんびり休むほうがいいとは思うが&hellip;&hellip;。</p>
<p>
	ただ、泗でストレスを解消すると血行がよくなるから、かゆみはひどくなる。飲むなら、好きな人と楽しい会話をしながらがいいと思う。寝るころにはアルコールが抜けるように、遅い時間に飲むのはなるべく避けてほしい。<span style="display: none">&nbsp;<span style="display: none">&nbsp;</span></span></p>
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